研 究パーキンソン病の新しい発症メカニズムを発見 本学学術研究部薬学?和漢系 薬物生理学研究室の藤井拓人助教、酒井秀紀教授、同生命科学先端研究ユニットの田渕圭章教授、同学術研究部医学系消化器?腫瘍?総合外科(第二外科)の藤井努教授、奥村知之講師、東京慈恵会医科大学、京都大学の国内共同研究グループが、パーキンソン病の新たな発症メカニズムを明らかにしました。地域連携 本学と協同組合全国企業振興センター(アイコック)および富山県は、地方経済の活性化、地方創生および人材育成のためのコンソーシアム「富山“Re-Design”ラボ」を設立し、実践型リカレントプログラムを開始しました。「富山“Re-Design”ラボ」プログラムは、産学官が連携し、専門性やスキル、マネジメント能力を有する大都市圏の中核人材を本学の協力研究員として受入れ、未来に向け変革を進める企業とマッチングを行います。竞彩足球app下载4年7月よりプログラムを開始し、本学の協力研究員として7名を受入れました。協力研究員は半年間地域に住みながら、週4日は受入企業の経営課題の整理?解決を行い、週1日は本学の教員によるゼミや講義?演習等に参加し、大学での専門領域や地域に対する新たな学びと、経営課題解決に向けた助言やアドバイスを受けました。同年12月の最終報告会では、自身?企業?地域の“Re-Design”シナリオと、受入企業での経営課題解決への取り組み成果が発表されました。プログラム修了後も多くの協力研究員は正社員、業務委託等の形で受入企業との関わりが継続され、首都圏からの中核人材の確保という点においても成果を得られる事業となりました。2023年4月20日記者会見の様子本研究から得られたパーキンソン病発症のメカニズムの概略図 研究グループは、パーキンソン病の病因分子の一つである「PARK9」が、水素イオンとカリウムイオンを輸送するタンパク質として機能することを発見し、PARK9によるイオン輸送機能の低下が、パーキンソン病の原因となる「α-シヌクレイン」の細胞内蓄積に関与することを突き止めました。 これまでパーキンソン病患者の脳内では、α-シヌクレインが異常に蓄積し、運動機能を司るドパミン神経細胞を死滅させることで、運動機能の障害などを発症させることが分かっていました。しかし、α-シヌクレインが脳内に蓄積するメカニズムの全容は明らかになっていませんでした。本研究では、PARK9による水素イオンとカリウムイオンの輸送機能が、α-シヌクレインの脳内蓄積を防ぐ重要な役割を担っていることを発見しました。今後、パーキンソン病の発症メカニズムや治療方法の解明に向け、新たな道を切り開くものと期待できます。 本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」に掲載されました。Outline of University of Toyama 20234大都市圏の中核人材活用により富山の持続的発展につなげる「富山“Re-Design”ラボ」
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