現代の生物科学では、生命体自体とその周囲の環境に関するさまざまな研究が日々進展しています。生命現象の多様性を理解するためには、生物学だけでなく、数学、物理学、化学、地学、そして環境科学などの自然科学の基礎知識と、生命に関連する他の科学領域に関する幅広い教養が必要です。生物科学プログラムに配属された2年次以降は、1年次で学んだ理学の広範な分野を基礎とし、専門的な講義と実験を通じて生物学に関する専門知識と技術を修得します。これらの学習を経て、分子レベルから生態レベルまでを専門とする個性豊かな教員の指導のもとで、卒業論文研究に取り組みます。研究活動を通じて、より専門的な知識と技術を習得し、大学教育の集大成を迎えます。メガエルなどを用いて生得的行動の解析、関係遺伝子の発現解析、脳内神経基盤の形態学的観察、細胞内情報伝達系の解析、病態の発症機序?進行過程の解析などを通して個体レベルから分子レベルに至る実験を行っています。また、国内外の大学や研究所と連携した国際共同研究も展開しています。〈研究分野〉比較内分泌学、神経行動学、動物生理学、薬理学、神経科学、病態生理学■動物の概日リズムや睡眠覚醒行動を対象と 睡眠覚醒、摂食、体温など多くの生理機能は、脳の生体時計機構の支配下に、恒常性が維持されています。本領域では、これらの基礎的で重要な生理機能の概日リズム調節に係わる神経メカニズム解明を目的に、遺伝子発現や神経活動記録、細胞内シグナル解析、脳波解析、行動量測定などの手法を用いて、細胞から個体レベルの研究を行っています。ラット?マウスあるいはアフリカングラスラットなどのげっ歯類や、ショウジョウバエ、さらに培養細胞を対象とした実験が中心です。〈研究分野〉時間生物学、神経生理学、睡眠科学、行動薬理学プログラム紹介/生物科学プログラム生体構造学実験卒業論文発表会生体制御学実験野外実習臨海実習基礎生物学セミナー16■多様性と進化を対象とした生物学領域 自然界では、生物は単独ではなく、同種他個体や他種生物、気候や地形などの様々な環境要因による影響を受けながら存在しています。本領域では、生物間、あるいは生物と環境との間にある相互作用の実態や、成立に関わる因子の解明を通して、生物進化の理解を目指した研究を行っています。微生物や昆虫、植物、魚類、両生類、鳥類、哺乳類など様々な生物が対象です。〈研究分野〉共生生物学、応用昆虫学、進化生物学、進化発生学、分子生態学、保全生物学■植物を対象とした生物学領域 植物の多様な生命現象の解明は、生物多様性の保存や持続可能社会の実現に必要とされる科学技術の発展を支える礎として欠かせません。本領域では、植物を研究対象に様々な視点から、種々の研究手法を用いて学生とともに研究に取り組んでいます。植物の葉や根などの器官形成、植物組織および細胞レベルでの形態形成のしくみ、有用植物の成分や栽培特性の制御機構、環境が植物の生活環に与える影響、植物の病害抵抗性のしくみ、生殖様式の違いに基づく植物の種分化など、様々な重要課題の解明を目指し、遺伝子から個体群レベルまでを対象に幅広く教育研究を行っています。〈研究分野〉植物分子生物学、植物形態学、植物生理学、遺伝育種科学、植物細胞生物学、植物病理学、宇宙生物科学、植物細胞分類学■動物の生得的行動や浸透圧調節を対象とした比較内分泌学?動物生理学?神経行動学領域 魚類や両生類において、内分泌系や神経系により生得的行動(摂食行動、情動行動および生殖行動)や体内浸透圧などが調節?最適化されています。本領域では、これらを支える中枢や末梢におけるホルモンや神経伝達物質およびそれらの受容体を介した情報伝達機構と作用メカニズムの解明を目指し、モデル動物としてキンギョ、ゼブラフィッシュ、メダカ、ツカリキュラムラボラトリーした神経?細胞生物学領域
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