ノーベル化学賞受賞者 田中耕一特任教授による特別授業(講義)を開催
2023年10月18日(水)、2002年にノーベル化学賞を受賞された田中耕一氏(株式会社島津製作所エグゼクティブ?リサーチフェロー/富山県出身)による特別授業を杉谷キャンパス日医工オーディトリアムにおいて開催し、薬学部生や薬学系大学院生ら約200人が参加しました。
同氏は富山県の協力のもと、2018年4月に富山大学及び富山県立大学の「特任教授」に就任され、両大学において年に1回特別授業を行っており、今回が6回目の開催となります。
今回の特別授業は「質量分析 その基礎と応用」と題して、質量分析(MS)について高校物理レベルの式やアニメーションを用いて基礎から説明され、応用として創薬ターゲット分子となる膜たんぱく質の分析、核酸医薬関連化合物の分析、新生児代謝診断、認知症の原因物質と考えられているアミロイドβの効率的な測定等について解説されました。また、ご自身の経験を踏まえて「失敗からも知見を得られる」「多分野にわたるコミュニケーションは重要」等、未来の研究者へ話されました。
特別授業に参加した学生からは「『上司を説得させる能力や人間性が必要』という言葉がとても印象に残った」「『MS』と『医療』と一見関連を見出すことが難しそうな領域においてうまく紐づけることが勉強になった」「自分の専門とは異なる分野についても何か自分の研究に応用できないか考えるようにしていきたい」等の感想がありました。
特別授業終了後、長年の特別授業への感謝や島津製作所田中耕一記念質量分析研究所開所20周年を記念し花束贈呈が行われ、その後特別授業受講者と記念撮影を行いました。